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【カナダ移住のためのユーコンノミニープログラム完全ガイド⑤】ノミニーから永住権取得へ

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【カナダ移住のためのユーコンノミニープログラム完全ガイド①~④】、そして前回の「番外編」でユーコンノミニープログラムについてお話してきましたがいよいよ今回が最後となります。最終回の今回はノミニーとなってから永住権取得までの流れをこれまで同様、基本的にはユーコン準州政府発行ユーコンノミニープログラムハンドブック(英語)に沿って進めていきたいと思います!

申請後の大まかな流れ

ユーコンノミニープログラム申請後の流れは以下となります。

1.申請書類がチェックされる

2.申請が許可される

3.就労ビザを申請または延長申請する

4.永住権を申請する

5.永住権が許可される

YNP Application Handbook Page 8. 参照 

以下で具体的にそれぞれの項目を見ていきましょう!

申請書類のチェックと許可

申請書類が全て揃い雇用主が州に申請をするとまず雇用主と外国人労働者がユーコンノミニープログラムの要件に合っているかどうかが確認され要件を満たしていた場合はユーコン移民プログラムのマネージャー→副次官(今まで教育省の管轄でしたが現在は経済省に変更)の順に審査が行われ最終決定が下されます。申請が拒否された場合

雇用主がこの決定は誤りだと感じた場合や提出書類の情報を十分に考慮してもらえていないと感じた場合は決定に対して不服審査を求めることが可能です。この場合、申請拒否の旨が記載されたレター発行日から30日以内に移民プログラムのマネージャー宛てにリクエストをする必要があります。申請が許可された場合

外国人労働者は「ノミニー」となりノミニーに関する情報がカナダ移民局(IRCC)と共有されます。

ノミニーになると州から以下2通のレターを受け取ります。

  • 就労ビザの申請または延長申請の際に提出するレター
  • 永住権申請の際に提出するレター

この2通のレターは以下のステップにおいてとても大切なレターとなりますのでなくしたりすることがないよう十分に気を付けましょう。

就労ビザの申請または延長申請

州発行の就労ビザの申請または延長申請の際に必要なレターを提出

州からノミニーとして承認されたらまず就労ビザの申請または延長申請をしましょう。ビザに関しては全て州ではなく国(カナダ移民局)に対して申請をします。

ユーコンノミニープログラムに申請する方は既にワーキングホリデービザやポストグラジュエーションワーク(指定されたカレッジ修了後に申請することのできる就労ビザ)、または配偶者ビザなどの就労ビザを保持している方が多いかと思います。この3種類のビザはどれも雇用主が限定されない「オープンワークパーミット(Open Work Permit)」と呼ばれる就労ビザの種類に該当するのですが、ノミニーとして承認された後はスポンサーしてくれた雇用主(お店)の下でのみで働くことに限定される「クローズドワークパーミット(Closed Work Permit)」という就労ビザの種類に変更(延長申請)することになります。このビザには雇用主名が明記され、これによって他の場所では働くことができない=ダブルワーク不可という状態となります。

フラッグポールとは?

ユーコンノミニープログラムのハンドブック、また州のスタッフからは表向きにはオンラインで就労ビザを申請することを勧められますが、実際にはアメリカとの国境にあるカナダの税関まで車で赴いてその場で申請をする方が多いです。この方が一日でビザを取得できるためオンライン申請よりも早いからです。ビザ申請のために一時的にアメリカに入国(書類上は入国せず)しカナダに再入国することを「フラッグポール(Flag Pole)」と言います。

国境にある旗のポールをくるっと周ってすぐに戻ってくる状況から、こう呼ばれているようです(諸説あり)。ちなみにここユーコンだけではなく、バンクーバーであればワシントン州へ、カルガリーはモンタナ州、トロントはニューヨーク州へ等カナダ各地でアメリカに陸路でビザの申請をしに行く方は多いようです。

・ホワイトホースから一番近いカナダの税関

ホワイトホースからは一般的に車で南に2時間ほどの所にあるフレイザー(Fraser)にあるカナダの税関に行く方が多くアラスカ州スカグウェイとの国境にあります。行きはこのカナダ側の税関をそのまま通り抜けて“出国”し、アメリカ側の税関で検問を受けるのですがこの時に必ずパスポートを提示して「フラッグポールで来ました」と伝える必要があります。これを伝えることでアメリカ側の税関のスタッフがカナダ側の税関宛てに「フラッグポール目的のためアメリカ側での入国を拒否しました」という旨が記載されたFaxが送付されカナダ側のスタッフに伝えられます。実際には入国していない扱いになるためアメリカ側の入国税(US$6)は徴収されません。また空路で米国入国時に必要とされる電子渡航認証であるESTAの申請も陸路のため必要ありません。この時アメリカ側の税関スタッフから自分(または家族分)の名前と上記と同様の内容が記載された紙を渡されるのでそれをカナダ再入国時にカナダ側の税関スタッフに渡します。ちなみにカナダの税関とアメリカの税関の間は25kmほど離れているため30分前後走ることになります。

フラッグポールそのものは違法ではないのですが移民局のウェブサイトにはフラッグポールに関する表記はなくオンタリオ州とケベック州の一部の税関では2017年よりフラッグポールでのビザ更新に対する規制も開始されているようです。ユーコン準州や国はあくまでオンラインでのビザ申請を勧めているためカナダ側の税関では「なぜわざわざ国境までやってきたのか」等、理由を聞かれる場合がほとんどだと思います。また申請に必要な書類が一枚でも足りないと受理されず後日再びフレイザーまで赴くことになるため(特に真冬で路面凍結時など場合は)リスクもあり、また同じ手続き内容であっても税関のオフィサーによって態度や対応はまちまちなのでフラッグポールをする際は必ず自己責任で行い、車の有無や季節によって、またビザの残存期間に余裕がある場合などはオンラインでの申請も考慮されると良いかと思います。

永住権の申請と許可

・発行の永住権申請の際に必要なレターを提出

永住権もビザ同様、国(カナダ移民局)に対して申請をすることになります。2019年9月現在、永住権の申請は郵送のみ(例外でエクスプレスエントリーにて申請した方はオンラインのみ)となっています。ノミニーとなってから3-6か月以内に永住権を申請するようにと記載がありますので永住権申請にあたり必要な書類等はユーコンノミニープログラム申請中からできる限り準備をしておきましょう。ここでは永住権申請の詳しい手順等は割愛しますがカナダ移民局のウェブサイトより詳細をご確認いただけます。

永住権の申請が許可されるとその旨が記載されたレターが郵送で届くのでそのレターをもってランディング(国境超え)すると晴れて永住権取得となります(永住権のカードは後日郵送で届きます)。

永住権を取得したらユーコン準州の移民オフィスに報告(Fax、メール、またはオフィスにコピーを手渡しに行く)をすることが義務づけられています。永住権取得後はカナダ移民局のルールに則り1年、2年、5年毎にユーコン準州の移民オフィスから簡単なアンケート調査の連絡がくることになっています。

全6回に渡ってユーコンノミニープログラムについてご紹介してきましたがこの記事で少しでもユーコンやユーコンノミニープログラムに興味を持った方々の助けになれたらうれしいです。ビザの情報はカナダ政府の移民局が統轄しており情勢等によってルールが変更されることは多々あることです。特に現在進行形で申請中の方は最新情報を見逃さないためにもユーコンノミニープログラム申請中の方であればユーコン準州のウェブサイトまたはオフィスにて、永住権申請中の方であればカナダ移民局のウェブサイトなど公式ウェブサイトの情報を常に確認しておくことをおすすめします。公式ウェブサイト

ユーコンノミニープログラムについて(ユーコン準州政府公式)

プロビンシャルノミニープログラム(PNP)による永住権申請について(カナダ移民局公式)YNP Application Handbook(2020年3月改訂版)ダウンロードはこちら

ユーコンなびではカナダのビザ取得に関するアドバイス、ご質問への返答につきましてはお答えすることができません。これらのご質問等につきましてはImmigration Consultants of Canada Regulatory Council (ICCRC)によって定められた認定の移民コンサルタントもしくは弁護士にお問い合わせください。

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