ユーコンノミニープログラムや永住権申請の際に必要とされる翻訳(例:戸籍謄本)など、カナダで公的な書類を日本語から英語へ翻訳する際は基本的にカナダの公認翻訳者(Certified Translator)に依頼する必要があります。ただ、ユーコン準州としてはユーコン在住の公認翻訳者のリスト等は公開しておらずユーコンノミニーのオフィスに確認したところ、ユーコン準州内における日本語⇔英語の公認翻訳者はいないとのことでした(2019年7月3日現在)。そのため、ユーコンで公的書類の翻訳が必要になった際は州外で登録された公認翻訳者に依頼することになります。今回はこの公認の翻訳について説明したいと思います。
公認翻訳者とは?
カナダにおける公認翻訳者の定義として州ごとに定められた翻訳・通訳機関のメンバーであり且つ一般的にはカナダの翻訳・通訳のための民間組織であるCTTICが主催する認定試験に合格した者、となっています。この公認翻訳者の試験を受ける為には
翻訳関連の学位を取得後、フルタイムの翻訳者として1年以上の経験
または
フルタイムの翻訳者として4年以上の経験
のいずれかが必須条件となっています。
ユーコンには上記の「州ごとに定められた翻訳・通訳機関」がなくユーコン在住の他州機関で登録されている公認翻訳者のリストなどもないため、ユーコンに来てから公的な翻訳が必要となった場合はやり取りは郵送になりますが、比較的登録者数が多く時差もないブリティッシュコロンビア州(以下BC州)の機関に登録された公認翻訳者から探すことをおすすめします。
BC州公認翻訳者リスト
BC州の翻訳・通訳機関はSTIBCという団体名となり、左記リンク先の左の欄よりTranslatorを選択しSource→Japanese、Target→Englishを選択すると日本語→英語のBC州の公認翻訳者一覧が表示されます。※Source→English、Target→Japaneseを選択すると検索結果数は増えますが英語→日本語への翻訳専門の場合も考えられます。
日本の公的書類の翻訳では基本的には日本語→英語が必要となるためそれに該当する公認翻訳者から優先してコンタクトすることを個人的にはおすすめします。
また、バンクーバーにあるA&E コミュニケーションズはSTIBCへ登録された公認翻訳者が多数在籍しており、日本語のホームページもある翻訳会社です。詳細は上記リンク先のホームページにてご確認いただけます。
ちなみに、STIBCのウェブサイトで翻訳者の検索すると結果に表示される”Registered with ICBC”(「ICBCに登録済み」)のICBCとはInsurance Corporation of British Columbiaの略でBC州政府によって運営されている自動車保険会社のことです(BC州では自動車保険はICBC社一択となります)。
余談ですが、私たちは日本からカナダに来た際、ユーコンではなくBC州ビクトリアで生活を開始したためBC州で日本の免許証をカナダのものに書き換えたのですが、その際に翻訳が必要となり免許センターでこのリストの存在を教えてもらいビクトリア在住の公認翻訳者に翻訳を依頼しました。この場合はBC州の自動車免許への書き換えで必要な翻訳だったためICBCに登録された公認翻訳者である必要があったのですが、ユーコンノミニー申請用などユーコン内で必要な翻訳に関しては”Registered with ICBC”の有無は気にしなくて大丈夫です。
日本の翻訳会社に依頼する
ユーコンノミニーのハンドブックでは
Documents in languages other than English or French must be translated by an accredited translator (with contact information for verification) to one of Canada’s official languages.
「英語またはフランス語以外の言語で記載された書類に関しては認定された翻訳者がカナダの公用語(英語またはフランス語)に翻訳したものを確認のための連絡先と共に提出しなければならない。」
YNP Application Handbook P.5より抜粋
と記載があり、依頼する翻訳者は必ずしもカナダで登録された公認翻訳者でなければならない、という表記はなく日本で認定された翻訳者または翻訳会社でも可ということになります(2019年8月現在)。ただし、その場合は必ず連絡が取れる連絡先が表記された翻訳証明(翻訳者による宣誓書)が必要となります。 カナダ側ではカナダ国外で登録されている翻訳者の確認はできないため、この翻訳証明は必須となります。
そのため、日本で翻訳を考えている場合は海外渡航用のビザ関連の書類を専門に扱っている翻訳会社を中心に探し、翻訳証明を付けてくれるところかどうかを必ず確認しましょう。
もし現在日本にいてユーコン到着後できるだけ早くユーコンノミニーへの申請を視野に入れている場合、日本で手に入る書類で且つ有効期限がないものに関しては全て用意した上で翻訳の必要がある書類に関しては翻訳した状態でユーコンに持参されるのも一つの手かと思います。
私たちは戸籍謄本の翻訳を日本のサウザンドムーンズというビザ申請などの翻訳も取り扱う翻訳会社に依頼し翻訳証明と共にカナダに持参し、ユーコンノミニープログラム申請の際に提出しました。
戸籍謄本に関しては一般的には有効期限は3か月とされているようですが法的効力はなく明確な記載もないためご夫婦や家族での移住をお考えの際は日本で予め戸籍謄本を取得(場合によっては翻訳も)して持参することをおすすめしますが戸籍謄本以外の書類など、種類によっては有効期間がある場合なども考えられるため有効期限に関してはそれぞれの書類取得時に必ずご自身でご確認ください。
※本記事で記載したユーコンノミニーのルールはあくまで2019年8月現在の情報を元にしています。ルールは変わることもありますので申請時には必ず各自で最新情報を確認するようにしましょう。
ユーコンノミニーシリーズ、いよいよ次回は最終編【カナダ移住のためのユーコンノミニープログラム完全ガイド⑤】ノミニーから永住権取得へ、をお届けします!
YNP Application Handbook(2020年3月改訂版)ダウンロードはこちら